おいなりのこと(映画「HK 変態仮面」)

☆×5
今年邦画ナンバーワン確定!
  

あらすじ
殉職した刑事の父とSMクラブの女王様を母にもつ高校生の色丞狂介は、父の正義感を受けながらも弱っちく、拳法部に所属しているのに一向に強くならなかった。
狂介はある日、一目ぼれした転校生の美少女姫野愛子が立てこもり犯に捕まるところを目撃し、果敢に救おうとビルに忍び込む。かろうじて犯人の一人をKO。犯人のマスクを被って愛子を救おうとするが、それは女性のパンティーだった。
フオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 
愛子ちゃん、どうか俺の闘う姿を見ないで欲しい
 
というコピーですが、見られて興奮するのが本当の変態なんだぜ!(byヤスケン
 
昨年、「アベンジャーズ」公開時、「日本よ、これが映画だ。」というキャッチが一部で物議を醸したのは記憶に新しいですね。
 
ハリウッドよ、これが映画だ。
 
と声を大にして言える作品が登場した!
ハリウッドよ、これがおいなりさんだ!でも可。
ジャッカス」「ピラニア3D」のときもそうでしたが、こういう映画になると俄然ノリノリで感想を書いてしまいます。フオオオオオオオオオオオオオ!!!
 
今作の監督、福田雄一の「勇者ヨシヒコと魔王の城」は評判は知っているものの実は未見で、「変態仮面を実写映画にするなんてどうなんだオイ」が正直な気持ち。それよりシュアリー・サムデイ」で壮絶に爆死した小栗旬が脚本協力ってすげーフラグじゃね?というのが一番でしたが
いやあ、小栗旬やるね! かなり見直したよ。
 
製作や演出は丁寧で、「スパイダーマン」かのような冒頭のクレジットはテンションが上がりました。クモが糸を這う「スパイダーマン」をパロディにしたと思われますが、ヒラヒラ舞うパンティに浮き出るキャスト名なんて最高でした。
 
狂介を演じた鈴木亮平、彼がかなりイイ! ぜんぜん知らない役者でして、プロフを見たらなんと30歳。この変態仮面のために肉体改造もしたそうで、これぞ役者。ムキムキぶりと微妙な浅黒さ、変態仮面時の変態ウォーク、すべてが完全なる変態。変態コスチュームのときはちゃんと剃毛したのかなー。すげー知りたい。フオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
 

変態の中の変態、安田顕

ちなみにこの作品、プロモーションがあまりされていないためキャスト情報もないまま鑑賞しまして、クレジットにあった「KEN YASUDA」を見て道民としてテンション激上がりでした。
今回の感想では彼をクローズアップしたいと思います。
 

奥様のためのちょっと豆知識〜安田顕って誰?〜

大泉洋が所属する北海道の演劇ユニット「TEAM NACS」の役者で通称ヤスケン
見た目のイケメンぶりと確かな演技力を持ち、近年では「ハケンの品格」などさまざまなドラマに出演。その反面、道内では変態キャラとして有名であり、大泉がブレイクするきっかけだったバラエティ「水曜どうでしょう」のONちゃんの中の人としても知られる。
「水どう」では「ヤスケン包茎手術」「犬小屋で全裸」など変態キャラをいかんなく発揮し、「ヌーディスト安田」の異名を持つ。ナックスの芝居でもとりあえず脱ぐため「服を着なさい!」が彼へのお約束掛け言葉で、「服を着なさい」と言われると喜ぶ変態。愛娘がいるよきパパでもある。

 
ということで、赴任してきた戸渡(とわたり)先生でもあり、変態仮面と戦う「偽変態仮面」を演じたヤスケン
 
お前がキング・オブ・変態だよ!
 
映画はオリジナルストーリーで、学校の地下にあるらしい埋蔵金を狙う悪いやつとの戦いだそうですが、正直途中でストーリーはどうでもよくなりましたね。ムロツヨシも変態ちっくなのですが、ヤスケンの前にはかすみます。
狂介の変態仮面はパンティを被ると、造形は原作通りの変態仮面になります。

(鈴木亮平いい体してますね!フオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!)
 
ところがヤスケンは普通にパンティを被るだけ。パンティの隙間から見えるのはそのままヤスケン。誰が見たってヤスケン隣に大泉洋がいたら、まんま「水曜どうでしょう」。リアル変態仮面フオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
 
変態だけどヒーロー、変態仮面の評判を下げるべく街中に登場した偽変態仮面がまず行ったのがスカートめくり。お前絶対喜んでやってただろ!というシーンは必見ですフオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
ちなみに8割ほど埋まっていた札幌の劇場は原作未読世代も多いのに爆笑の嵐。一番盛り上がっていたのがヤスケン変態仮面シーンでした。
 

変態成長物語、そして変態ヤスケン

この作品は変態仮面が大暴れするヒーローものでありますが、冒頭を見るに「スパイダーマン」を意識した演出も見られました。
旧「スパイダーマン」3部作ではご存知の通り、童貞なんだけど「精通」「インポ」「ペレ」*1がモチーフとされています。1ではウェブが初オナニー*2、2では糸が出なくなるのがED*3で、童貞なのに性ではやたら苦労しているのも旧作の見所であります。
一方この変態仮面。パンティを被って変態仮面化するのが精通、そして偽変態仮面ヤスケンと戦って自信喪失し変身できなくなるのがED、愛子ちゃんのパンティで最後の敵を倒すのがED克服、という見方ができます*4
スパイディの自信を喪失させるのが報われないヒーローぶりやMJに彼氏ができた、尊敬する博士がドク・オックになったことなど。変態仮面では教師でもある戸渡の真の姿である変態ぶり、なんというダサい対比。だがそこがいい!
 
ヤスケンのスカートめくりに憤慨し戦うものの亀甲縛りされ大ピンチの変態仮面。しかしヤスケンは自分をも亀甲縛りする。
変態仮面「なぜだ、チャンスなのに…」
ヤスケン「放置プレイだ…(恍惚の表情)」
お前がチャンピオンだよヤスケン
 
ヤスケン変態仮面に訥々と語りかける。
お前はパンティを内側にして被っている…だが私は外側を向けている。なぜなら、触れそうで触れないことで、恥ずかしさを増しているのだ。みじめだ、お前はみじめだ、という声で、さらに興奮するのだ…
だめだこいつなんとかしないと
 
変態仮面ヤスケンを追いビルの屋上へ向かう。そこには自縄自縛亀甲縛りのヤスケンがいた。
すでにこの状態で変態すぎてコメントできません。
「もう邪魔するな、放置プレイを…」
もう勘弁しておなかいたい
 
そんなわけで、最後にヤスケンをついに破り、最後のボスも愛子パワーで撃破するわけですが、ヤスケンの変態ぶりが本当に最高な作品でした*5
ヤスケンとの戦いが盛り上がりすぎて、最後のアレはちょっと地味でしたね。CG頑張っただろうに。

今回のパンフ

ヤスケンが登場しているので楽しみにしていたところ「変態仮面のパンフは作成されておりません」。
こんなバカに徹した作品こそ、パンフで熱く語ってもらいたかったのに。
鈴木亮平の演じるに当たっての羞恥心、ヒロイン清水富美加がおいなりさんを目前にしたときの心境、小栗旬と福田監督の変態トーク、リアル変態仮面ヤスケンの変態への熱意、変態コスチュームで興奮していたであろうヤスケン、スカートめくりシーンで興奮したであろうヤスケンのそのときの気持ち、文字で読んでみたいと思いませんか? オモイマス!

今回のデキ:作ればよかったのに

HK/変態仮面 アブノーマル・パック[DVD]

HK/変態仮面 アブノーマル・パック[DVD]

(メイキングで全裸になるであろうヤスケンを見たいので購入決定)

映画×短歌

今回はなりきりヒーローなりません ヤスケンあなたは服を着なさい!

*1:ED克服のことね

*2:高校生だからオナニーはもうしてると思うけど

*3:童貞捨ててないけどね

*4:勝手な深読みだよ!

*5:褒め言葉