男は髪じゃない、ハートだ!(映画「LOOPER/ルーパー」)
☆×4
あらすじ
殺人が禁じられた未来、タイムマシンを悪用し過去に殺したいヤツを飛ばしていた。
ジョーは過去から送られてきた標的を始末する殺し屋「ルーパー」。
ある日、いつものようにジョーが仕事しようとすると、未来から自分が送られてきた。
タイムマシンを使った作品は多々あれど、過去と未来の自分と相対するのはまれじゃないでしょうか。
しかも未来の自分との対決で、ジョセフ・ゴードン=レヴィットの30年後がブルース・ウィリスだなんて。
先に評すると、粗は目立つものの力ずくで展開していくSFというのはけっこう好みなのです。含みを持たせすぎな脚本*1が若干残念かなと思いますが、ジョーの行動がオールド・ジョーの記憶や身体に作用を及ぼす点は「ほうほう」と思いましたね。
あとはJGLの3時間かけた特殊メイク。これが一番の見所かな。
冒頭、オールド・ジョー登場前にジョーが生え際を押さえるシーンなんかも「ハゲ」が重要な伏線であると示しているわけで。「オールド・ジョーへの老化」をメイクよりも頭髪の後退で表現したライアン・ジョンソン監督、キミ分かってるよ!
普通ハゲ→だいぶ後退→出来損ないのニコラス・ケイジみたいなロン毛ズルズルハゲ→マクレーンハゲ
ニコラスハゲからブルースになるわけですが、さすがハゲを気にしない漢の中の漢ブルース。ニコラスだったら絶対やらないぞ!
脱線しすぎました。
ジョーvsオールド・ジョーでジョーが死ねばオールド・ジョーも死ぬわけで、オールド・ジョーが死ねば現在のジョーがオールド・ジョーになったときにどうなる?というタイムパラドックスはうまく〆たと思います。
ルーパーが30年後の自分を処刑する代わりに余生30年をもらう「ループを閉じる」を伏線に、「ループを断つ」としたのや、銃をもらい人生をもらったジョーとエイブの疑似父子関係とシドとジョーの関係なんかも。ループはタイムリープだけではなく「ループ(輪廻)」でもあるという点は良いです。
脚本が割と雑とか、近未来ぽくないとか、農場のシーンが長いとか賛否両論ですが、年末には忘れられてる可能性は濃厚だけどスマッシュヒット作かなあ。
映画×短歌
ハゲだからモテないなんて言わないで 暑苦しさが原因だもの