とりあえずじゃない2012映画ベスト10

いまさらなんだぜ!
昨年は仕事やらいろいろとありすぎたため、劇場通いを始め十数年で初めての鑑賞数の少なさでした。
見逃した作品も当然多く、昨年からしたら信じられない「エクスペンダブルズ2」、デビュー作が鮮烈で追いかけようと思っていた吉田大八監督「桐島、部活やめるってよ」、ベン・アフレック製作に外れなし「アルゴ」など、そうそうたる見逃しっぷりでも。
それでも、「ドライヴ」「HICK ルリ13歳の冒険」「エージェントマロリー」といった発見もあった年でした。
感想も5本中4本は書き残していたのに、昨年はまるで書けずじまい。2013年は備忘録のためにも、できるだけ感想を残したいものです。

ではさくっと。上位5本と以下同率の5本を紹介します。

1.アベンジャーズ
王道!アメコミ祭解禁
2012年はスパイダーマンバットマン、そしてアベンジャーズとアメコミ好きにはGWと盆と正月が一気に来た年でした。
前2作は賛否両論があったものの、アベンジャーズはヒーロー全部載せもさることながら、アイアンマンとキャプテンアメリカの正反対なヒーローを絡ませ、興行的には失敗のハルクを最も印象深いキャラに仕立てるというパワープレイをみごとにこなした。

ベストシーンキャプテンアメリカが個々に的確な指示を出すが、ハルクには「SMASH!(怒れ!)」だけ。それに「僕はいつも怒っているよ」と理知的な表情でハルクが応えるシーン。

 

2.鍵泥棒のメソッド
安定!光る丁寧な伏線
個人的に一押ししている邦画の若手監督、内田けんじ。「運命じゃない人」で平凡な主人公がさまざまなトラブルに巻き込まれる話を大量の伏線と切り刻んだ時間軸で表現。その後の「アフタースクール」ではとぼけた作風、丁寧な伏線をちりばめた珠玉の脚本を仕上げる仕事っぷり。
今作では売れない俳優と伝説の殺し屋の人生が入れ替わるというシチュエーションをこれまた伏線たっぷりに表現。クソ真面目な女性編集者役の広末涼子もステキでした。
台詞の伏線も多く、広末が結婚相手に求める「健康で努力家」と、記憶をなくした香川照之が「健康なので努力あるのみ」という似た台詞から2人をつなげる丁寧な脚本が本当に素晴らしい。
台詞の妙は伊坂幸太郎作品に似通ったところもあり、「登場人物すべてに優しい」もやや共通点。とても優しくて穏やかな人なんだろうなあ、と思ってしまいます。
いずれバッドエンドな話を見てみたいところ。

ベストシーン:ラストに堺雅人の恋の始まりを表現したクラクション

 

3.エージェントマロリー
蹴られたいヒロイン
アクションスターは消耗品である。一世を風靡したジャン・クロード・ヴァンダムの例もあり、継続したスターというのは難しい。
そこでこのジーナ・カラーノ。本業は総合格闘家ながらも美しさと肉体美はそこらのアクション女優では太刀打ちできないほど。さすがに台詞回しはちょっとアレな点もありつつ、今後のシリーズ化を期待したいところ。
ちなみにパンフではモンキー・パンチ御大が「まるで峰不二子!ルパン実写化はこの監督にお願いしたい!」とおっしゃってましたが、この監督(「トラフィック」でアカデミー賞受賞のスティーブン・ソダーバーグ)呼ばわりはどうかと思います。
余談ですが、同年「ダークナイトライジング」で太ももとふくらはぎがたまんねぇハァハァなアンハサたんを超える「蹴って欲しいヒロイン」と今後呼ぶことにしました。

ベストシーン:冒頭で追跡者に見事な回し蹴りをカマすシーン

 

4.バトルシップ
USA!+ハラキリ
アベンジャーズ」公開時、「日本よ、これが映画だ」というキャッチが物議をかもしたことがありました。
賛否両論ではありますが、僕はキャッチとしてはいいんじゃない?と思います。複数の映画主人公が一堂に会するなんてすげーじゃん!と。
それはさておき、この作品こそ「日本よ、これがハリウッドだ」じゃないか! アッタマの悪い主人公が海軍に入ってエイリアンとの戦いを勝ち抜きヒーローになる、おまけに日本軍(自衛隊)が大活躍とか心躍るわけです。

ベストシーン:金髪おっぱいの気を引こうとブリトー目指してコンビニ空き巣に入ってパクられる冒頭

 

5.TIME
25歳のジャスティ
上位4本はさくっと決まったんですよ。でも5本目がなかなか出てこない。そら桐島もアルゴも見てないし。かといってアーティストでもないなあ、とふと思い出したのがそのころ見たこの作品。「25歳で成長が止まる」設定で寿命がお金としてやり取りされる斬新な世界で貧乏人がサクセスするわけです。
反権力をうまく生意気なクソガキのいきがりに置き換えた点も秀逸で、最後はボニー&クライドのようなクライムアクションへとシフト。ツッコミどころはあれどここまで勢いで描ききったのはすごいかと思います。
そして主人公役のジャスティン・ティンバーレイクが貧乏くささを演じきったのもなかなか。ジャスティン25歳といえばとっくにブリトニー・スピアーズと別れてたか、懐かしいなあと何故か思ってしまいました。

ベストシーン:命(=金)をスタイリッシュに盗みまくるシーン

 

以下同率

  • ゾンビ革命・フアン・オブ・ザ・デッド

「オッサンが主人公」が萌えポイントな珍作

うんこぷしゃー! キチガイ主人公役のローレンス・R・ハーヴェイは「日本語レッスンを続けたら日本映画のオファーがあるかも」「中嶋哲也作品に出たい」「GSが好きでお気に入りはキノコホテル」という超親日家。

3部作をきっちり〆たのはよかったです。アルフレッド萌え。

QとMが無能に見えたんだけどね、「最後がプリクエール」というのがよいです。

たけしこのやろう!続編作れよこのやろう!

番外
アメイジングスパイダーマン 理系リア充など存在しねぇ!
ボーン・レガシー 前シリーズを意識しすぎも
ROBOT 札幌公開が12年だったもので。
HICK ルリ13歳の冒険 クロエちゃんぺろぺろ

ワースト
エヴァQ 「シンジを必要としないミサト」の段階で文句なし。ほもほもしてるとこだけが見所。