狂気のむきだし(映画「恋の罪」)

愛のむきだし [DVD]

愛のむきだし [DVD]

ようこそ、愛の地獄へ


☆×4

あらすじ
殺人課の刑事和子(水野美紀)は愛人とのSEX中に呼び出され現場に急行した。
そこにはマネキンと接合された凄惨な女の死体があった。
円満な家庭を持ちながらドMの性癖を抱える和子は、個人的に被害者に興味を覚え捜査を進める。
 
ベストセラー作家の妻いずみ(神楽坂恵)は貞淑で規則的な毎日を送っていた。
「物足りない」とパートに出ているときにモデルスカウトに誘われ向かったのはAV撮影。
女としての喜びを知ったいずみは次々と男をくわえ込むズベ公になっていく。
 
昼は助教授、夜は立ちんぼの美津子(冨樫真)は、裏稼業のカオルに連れられたいずみに出会う。
裏の顔を持つ美津子にいずみは魅了され「わたしのとこまで堕ちてこい」との言葉に従う。
美津子とその母に横たわる戦慄の親子関係を知ったいずみは、カオルとともに美津子の勤めるデリヘルへ。
 
デリヘル「魔女っ子クラブ」でいずみが初出勤すると、そこには夫の由紀夫が…。


園子温といえば、突き抜けたモチーフと過剰すぎる暴力で「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」を世の中に叩き付けた鬼才というのは既知の事実。とにかくいえるのはひとつだけ。


神楽坂恵のムチムチおっぱい最高!

ついでにもういっちょ!

水野美紀の締まったおっぱい最高!

冨樫真のおっぱいはスレンダーなんですが、ちょっと細いかなあ。どれが一番かといえば水野美紀ですね。冷たい熱帯魚」ではズベ公ちっくで意外に固いけどやっぱりズベ公で、今作では恥じらいのある人妻からズベズベと効果音が聞こえてきそうな乱れた人妻と墜ちていく神楽坂恵の魅力は満点なんですが。
しかし、水野美紀の腹筋と、ガッカリに見せかけたようでしっかりと質感のあるおっぱいは土下座してでも一発お願いしたいレベル。

ということでおっぱいトーク終了!


(犯罪現場でプロファイリングするシーンですが・・・これ顔射でしょ?)


今作でも既存作のようにチャプター制で、いずみ、美津子、和子、事件の発端、結末と分かれている。和子が捜査を進めることで真相が明らかになっていく狂言回し的な役割なんですが、実は和子こそ一番恐ろしい存在なんじゃないかと。
園監督いわく和子は「闇を覗き込むものの踏みとどまって戻ってくる」。うーん、ズベ公のキチガイビッチ2人と対比されていながら、愛人に命令されて自宅寝室や事件現場でオナニーしちゃう人のほうが一番ぶっ飛んでると思います。でも水野美紀だったらやっぱり土下座してでも一発お願いしたいのでオッケー!
和子の部下が「ゴミ収集車を追いかけて隣町まで行ってしまったら、うっかり人生に疑問を持ってしまい、そのまま家出する主婦」 の話をした部下に、和子が「何それ?」と刑事ならざる反応するシーンからも和子の空恐ろしさが表れてるし、このエピソードを生かしたラストはざわざわきたかな。


正直、東電OL殺人事件をモチーフにする必要があったかといえば微妙な点も。同じ題材を扱った桐野夏生「グロテスク」もありいささか拍子抜け感は否めない。
とはいえ園作品らしく「二面性」*1を3人の女性を主人公にしてアレンジしたのはやはり園子温というべきか。*2

冷たい熱帯魚」を吹越満がでんでんを乗り越える擬似親子の親殺し物語とすると、「恋の罪」は神楽坂恵冨樫真を乗り越える擬似母子の物語。それに女の嫉妬を絡めて母をぶち殺す親殺しモノと語り部水野美紀という話なんじゃないかなぁ。

(ズベ公同士、まさかの百合展開!?と思わせるナイスカット)

これまでの男根主義を女陰主義に180度転換した「ズベ公同士の熱いバトル映画」として語り継ぐべき怪作である!
満島ひかりも出ていた「プライド」に近いかな。こっちはズベズベと鈍い粘膜音が聞こえてくる正反対の内容ですが。

名言集

  • いらっしゃいませ、ソーセージはいかがですか? わたしも食べませんか?

 スーパーの試食コーナーでパートするいずみが若者を食ったときのキメゼリフ。その後、自宅の鏡の前で全裸になり発声練習をするシーンでは、グラビアアイドルのようなポーズを取りながら絶叫する姿は狂人にしか見えない。ただし勃起もの。

(「ぼくのソーセージも食べて!」と言いたくなります)

  • 愛がなければ金をとらなきゃ

 美津子がいずみに放った金言。ビッチはあかん、女は売春婦たれ!
1万円で神楽坂恵とヤレるならぜひお願いします!

(こんな目つきで罵倒されたい男は日本で100万人はいるはず)

  • わたしの血筋にはないんですが、この子の父親の汚い血筋からか、こんなにも下品で卑しい売春婦なのでございますよ。

 上品で言葉遣いも上流階級な美津子母。にこにこしながら娘を罵る老母とクールに近親相姦を疑わせる言葉で母を逆撫でする美津子のバトルはシュールすぎた。

(ババアまじこわい!漫☆画太郎センセのババアなみに怖い!)

映画×短歌

キチガイは三池映画だけのもの そう思っていた時期もあった









*1:愛のむきだし」では人を救うはずの宗教の表裏、「冷たい熱帯魚」では人の良いオッサンの怪物ぶり

*2:モチーフにしてずばっと内容を変えた、とはコメントしているものの、やはり先駆者「グロテスク」を知っていると近いものかなと思ってしまう