ヌードの世紀末(映画「バイオハザードIV アフターライフ」)

☆×3

※大きくネタバレしてません

 
Tウイルス蔓延から5年、世界は滅んでいた。アンブレラ社は東京を本部に研究を続けていたが、「3」で救出したクローンたちとアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)の襲撃を受け壊滅する。
ウェスカー議長(ショーン・ロバーツ)だけが飛行機で脱出し、爆破ボタンをポチっとな。アリスたちは全滅…と思いきや本物が機内に。ウェスカーの逆転劇・謎の注射でTウイルスを中和し大勝利のはずが飛行機が墜落、アリスは生き残る。
数ヵ月後、「最後の希望・アルカディア」をもとめてさまようアリスがいた。アラスカで発見した生存者、「3」のクレア(アリ・ラーター)とロスの刑務所に篭城して生きている人間を発見、アルカディアは島ではなく船であると知る。
そこにいたのはクレアの兄クリス(ウェントワース・ミラー)。しかしクレアは記憶を失っていた。
刑務所にゾンビが侵入し、立てこもっていた面白黒人の元バスケ選手ルーサーたちと脱出する。アルカディア号を目指して…
 

ねえねえ、「世界の終焉は、東京から始まった」って、始まりはラクーンシティでしょ!?
ねえねえ、*1「走るゾンビは『3の超ゾンビ』だけのはずが4では全員全力疾走。おいぃ!
ねえねえ、*2完結編じゃないの!?
はっきり言おう。風呂敷広げすぎ


いろいろ冒頭から突っ込んでしまった「バイオハザード」最新作、*3実はこのシリーズは割と好きである。先日見た「特攻野郎Aチーム」だって「行動原理・全員キチガイ」な痛快バカアクションだし、今回の4は「ハリウッドらしく人がゴミのように死ぬ作品」なのである。「第九地区」でもそうだけど、人が死にまくる映画はやっぱり爽快。
また、映画オリジナルのアリスプロジェクトこと、「アリスの超能力」が今回は登場せず、純粋にゾンビと戦う設定は原点回帰でよい。




おまけに監督が*4「ポール・ミラの旦那・アンダーソン」ことポール・W・S・アンダーソンなのでアクションてんこ盛り。
重度のゲームオタクである彼は製作中はプレステを持ち込みスタッフにやらせるほどで、「1」の洋館、「2」のラクーンシティの描写は個人的に好きである。ゲームはプレステだよ、任天堂なんてクソ食らえ!(でもPS3持ってません。ラブプラス最高)

また、アクション映画オタクでもあるので、今作ではマトリックスなど既存作へのオマージュも多々。
オープニングの東京襲撃シーンでは「側転撃ち」のような描写、刑務所からの脱出シーンでは「トリニティがビルから飛び降りながらバンバン銃撃」、ウェスカーとのバトルでは「銃弾をヒョイヒョイよけるスミス」を3Dで描いている。「バレット・タイム」の3D版とでもいうべきシーンは圧巻! 飛び出る手裏剣や銃弾、奥行きのある景色や背景、迫り来る落下してくるゾンビ、巨大オノとドキドキワクワクもの。


オノを投げつけてくる巨大ゾンビ
(当初はオノを門にガンガン叩きつけるだけの鈍いバカゾンビだったが、バトルではいきなり走り出す。かっこよかった)


「迫り来る落ちてくるゾンビ」。落ちてくるのに飛び出るのは「3D=飛び出る」を覆すよい演出だった。


登場ゲームキャラ2人のクリスとクレア、今回の敵・ウェスカー、全員ぶっちゃけ印象に残らなかったよ!
3D含むバトルシーンは迫力があったが、ウェスカーはイマイチ。アリスに対し「お前はいつも仲間を求めているな」と話しかけるが、アリス姐さんは冒頭の東京襲撃シーンで<ネタバレ反転>クローンたちをゴミのように捨て駒にしています<反転終わり>が…。このシーンは笑った。
クリスもプリズンブレイクの俳優が登場!という割に普通だったし、*5Kマートとか「お前誰だっけ?」というほど。
*6どうせなら「2」のジル(シエンナ・ギロリー)を復活させてほしいね。ぼくはマゾではないが、あの太ももなら蹴られたいです



実写バイオ史上、最も原作キャラに近いと言われるジル・バレンタイン





礼儀正しいフラグの立て方は素晴らしかったです。

 
刑務所の愉快な仲間たち〜良い子のみんな、どっちのフラグか分かるよね!?

  • ベネット 映画プロデューサー。「こいよベネット」を地でいく姑息系キャラ
  • キム ベネットの腰ぎんちゃく。ヘタレなアジア系
  • エンジェル 一般男性
  • オッサン ミラ姐さんのシャワーを覗こうとする
  • 元女優の女の子 名前すら忘れた。水路を泳ぐシーンで突然「私、元水泳選手よ!」という設定が登場
  • ルーサー おもしろ黒人枠。元プロバスケ選手

 

http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100904で伊藤さんが書いていたように、ルーサーの造形が面白かった。
ルーサーの扱いって「アメリカン・ビューティー」のミーナ・スヴァーリが主演したデイ・オブ・ザ・デッド」に出てきた面白黒人(マライア・キャリーの旦那が演じている)とまるっきり同じなんだけど。キムといいハリウッドにありがちな人種枠をフルに活用した描き方でした。


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何より進歩を感じたのが…

なんとミラ姐さんが脱ぐシーンがない!

ミラ姐さんの軌跡


脱ぎたがりミラと呼ばれるほど、脚本上で不必要なのに脱ぐシーンがあるミラ姐さんだが、今回は違った。

シャワーを浴びようと上着を脱ぐと物音。干されたタオルを払うと…ゾンビではなくノゾキのバカがいた。もちろんこのバカは速攻死ぬ

これは旦那のアンダーソンが「そろそろ脱ぐのやめようぜ…」という「ヌードとの決別」なのかもしれません。おっぱい!というほどのおっぱいではないけど、「ミラ姐さんの伝統芸」としてある意味楽しみにしてたのになあ。

*1:ザック・スナイダードーン・オブ・ザ・デッド」みたいである意味よかった。だがバイオのゾンビは歩くべきだ

*2:という情報を見たのだが勘違いだった。5の製作も決定していて、なんとミラ姐さんも出演しないという。マジか

*3:ただし好きな順は2>1>3>4である

*4:マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の監督が米国のポール・トーマス・アンダーソン、「デッド・オア・アライブ」「バイオハザード」「エイリアンvsプレデター」の監督がこっちで、「別なほうの・アンダーソン」とか「駄目な方の・アンダーソン」とか呼ばれている

*5:「3」の生き残り。個人的には「3」で生き残るべきだったのは「2」のカルロスと「1」の面白黒人LJのどちらかだったと思っている。カルロスの死に様はかっこよかったが

*6:この点は思い切り読み違ってました。ツイッターでミラ姐さんが「ギロリたん出るよ!」と言ったけど結局クレジットされていなかったが…でも“別人”だろあれじゃ