タイガー&ドラ…ンク(映画「ハングオーバー)

ハングオーバー ☆×5

あらすじ
2日後に結婚式を控えたダグ、神父の弟で社会不適合者のアラン、女好きイケメン教師フィル、自称ゴッドハンド歯科医スチュ。この4人がダグの独身最後のパーティーを行いにベガスへ!
よし、飲むぞ!



あれ、記憶がねぇ…。ちょ、おま、なんだこの部屋…えっ、えっ、えっ、何このトラ…ハァ?赤ん坊!?

マジかよ…


ハーイ、おれフィル。イケメンセクシースクールティーチャーたあ俺のこと
今日はダグのためにベガスでバチェラーパーティーだぜ。アランっていう変な奴とバカな女に捕まりそうになってるスチュと4人で盛り上がるぜ。

ヒュー、ベガスのホテルはスゲェぜ。
こんなに豪勢だなんてダグの人生の墓場行きを彩るには最高だな。
おまけにスチュも棺オケに片足突っ込むみたいだし、たいそうなこった。
酒をちゃんと持ってくるとかなんだかアランも気がきくようで、最高の乾杯!


謎解きの探偵役のわりにどこか抜けているフィルのキャラが素晴らしい。
教師という職にありながら、冒頭から飲酒運転させろとぬかしたり、愛車ベンツを貸してくれたダグ義理パパから「フィルには運転させるな」と言われたり。
「結婚は墓場」が口癖な割に「家族もいる教師」とちゃっかり常識人アピールもしている変なところも魅力的。

そう思っていたらアランの駄目人間ぶりに笑わずにいられないし、真面目っぽいスチュが案外狂っている点も最高。


「ねえねえ、歯折れてない?」

ハングオーバー」が文句なしの名作である理由の第一に魅力的なキャラの造形が挙げられるだろう。それぞれバラバラに不真面目で適当でダグが好き。バカなアランと常識人ぶっているスチュと真剣なようでおかしいフィル。
第二に、近年流行している「○日前…」がうまく使われている点。冒頭、フィルがダグ妻トレイシーに「もう駄目だ…」と連絡するところから始まる。しょっぱなからグイっと引き寄せ、4人での乾杯後にすぐ二日酔いシーンという秀逸な流れ。

そして最後はこんなおかしな3人が繰り広げる「フラグを立てて即折る」お約束だらけの脚本。

冒頭のダグ義理パパによる「アランに飲ませるな」「フィルには運転させるな」。その後の、病院にダグがいない(ダグいない全般)、ベンツに乗っているアレ、ホロコーストの指輪、などなど3人は劇中の各所に立てたフラグをバキバキ折っていくのだ。

これが「殺人鬼のいるところで眠れるか!俺は1人で寝る!」「ちょっとトイレにいってくる。なあに、一瞬だ」というバレバレのフラグならお約束として楽しめる。ところが「ハングオーバー」は違う。
伏線のようにちりばめられた大小のフラグをポキポキバキバキベキベキ片っ端から折っていく。

テンポのよさだけではなく、散りばめられたフラグの印象強さもアメリカンコメディの王道。なぜタイソンなのか、なぜトラなのかとそのナンセンスぶりに突っ込んでしまったが、あの出オチ感は最強だしオンチっぷりもよかった。


こんな作品が日本公開スルー寸前だった、という映画の危機に切なくもなったけれど、本当に面白い映画をこの土日に見ることができてよかった。
劇場では随所のシーンで観客が噴き出していて一体感を持っていた。「ホット・ファズ」のときもそうだった。こういう映画を楽しめる環境が続くことを願いたい。





ベストシーン

  • エンドロール

(「予想以上にひどいぞ」とアランが言うだけあって本当にひどい)

  • ダグ義理パパの「ベガスだから」
  • オープニングのホテル惨状シーン


そんな自分の「ハングオーバー」は、厳冬のススキノのど真ん中にあるローソンのゴミ箱横で熟睡して凍死しかけるでした。マイナス20度だと、1時間もしないうちに体の震えが止まらなくなります。豆知識でした。

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・誰にでもいつも優しく 自分にはいつも甘いよ大人げないもの