陽はまたのぼり、そしてくりかえす(映画「ダークナイトライジング」)

☆×4

注:ネタバレありますよ

今年初の感想アップです。プライベートでごちゃごちゃしまくったり、仕事が忙しかったり、なんだか気力が減退していたせいもあり、鑑賞本数の少なさもさることながら文章にする気も起きなかった2012年前半でした。継続は力なりとはよくいったもの。落ち着いてきたころ「いざ書こう」と思っても書けない。文章能力があやふやで書き上げるのも時間がかかるという。少しずつ取り戻したいものです。
余談ですが、村上春樹風の歌を聴け」 でDJが「ではよくしゃべる犬に戻る」といっていたように、つらっと継続していこうと思います。*1


あらすじ
ハービー・デントの死から8年、「デント法」によりゴッサムシティから悪人が一掃されていた。
同時に、デントのトゥーフェイス化を隠すため、デント殺害の汚名を着たバットマンゴッサムから消えた。
そのころ、「奈落」から生まれたベインがゴッサムシティの地下で暗躍しようとしていた。

クリストファー・ノーランが手がけたバットマンダークナイトもこれにて終結。最高傑作、世紀の名作といわれた「ダークナイト」から8年、ヒース・レジャーの死によりジョーカーを超える悪役は登場するのか、前作により上げられまくったハードルをノーランはクリアできるのか? さまざまな憶測のもと訪れた公開日。初日に鑑賞してまいりました。

一言でいうと「賛否両論」です。多く見かける「ダークナイト的なカタルシスがない」には同意です。奈落から抜け出したブルースのどこでもドアぶりもそうだし。あと気になったのは、ベインだけが唯一抜け出した「奈落」を抜け出すことで、ベインを超えるという長い説明と失敗の繰り返しとブルースの煩悶がひたすら続いたシーンの割に当のベインは自力で抜け出してなくね?という底抜けなオチも。

ま、エンタメに徹すれば徹するほど矛盾が表れるのはアクション映画にありがちなのでそこまで気にはなりませんでした。

すばらしかった点は、第1作「バットマン・ビギンズ」から「ダークナイト」、そして「ライジング」にわたる3部作をきっちり〆たところ。第1作にしか登場しなかった「影の同盟」を伏線として、最後の強敵ベインを同盟に関連付けたことや、「ダークナイト」でのレイチェルの死とアルフレッドのブルースへの思いを伏線に「バットマンとしてではなくブルースの幸せ」を描いたのも満足でした。

さらには冒頭の飛行機シーンや新型バット、アンハサのメイドコスとふくらはぎ、ブルース個人としての破産から会社の再興をかけたマリオン・コティヤールとのプチラブロマンス*2キャットウーマンのケツ、精神・観念的な戦いだった「ダークナイト」から一変したガチムチの殴り合い、キャットウーマンのくびれ、ラストの悲壮感のある核爆弾処理、バットポットに座ったときのアンハサの腰のラインとおっぱいなどなど見所はたくさん。



(ねーちゃんええケツしとんのう!)

ぼくが映画で泣くことはまれで、「スパイダーマン2」でピーターが地下鉄の観客に運ばれるシーンで涙したのが記憶に新しいところですが、今作でも最後にバットで飛び立つシーンにはつい…。カタルシスがさほど感じられないとはいったものの、ゴッサムを守る「闇の騎士」の終焉にふさわしいシーンでした。
誰が泣いたって?どこ情報よーへんだなー目から汗がでたみたいだなーと誤魔化したくなるほどではありましたが。

と思ったけど「ジャッカス」のウンコシーンと「ピラニア3D」の濡れたTシャツコンテストで泣いてたわ。バカですみません。

そしてシリーズ通して萌えたのはアルフレッド。マイケル・ケインってやっぱりいい役者ですね。ジジイ名優はクリント・イーストウッド一択と思っていたけれど、あのかわいらしさとブルース愛はさすがでした。

でもね、ひとつだけ・・・。
「カフェに入るとブルース様が奥様と子供といて、私とブルース様は目が合うけどあいさつもせず去るんです。私はその日を夢見ているんです」というすばらしい伏線があるのに、最後にカメラがブルースのほうに向くのはいただけなかったかな。そこはアルフレッドが何かに気づいて微笑むという〆にしてほしかったです。
よくある「ドアが開くと相手がいない」という余韻の残す演出を放棄した邦画によくある「ドアを開けると相手がいる」的なブルースがいるのは残念でした。*3


そしてキャットウーマン。アンハサがよかった! どうしてもハル・ベリー版のイメージがあるので、当初のキャスティングが「えっ、キャットウーマンかよ…」という感じではありましたが、ネコのようにブルースを裏切るさまはアンハサだからこそできるキャラづけ。スタイルもいいしおっぱいもいいしふくらはぎと腰のラインもツバじゅるじゅるレベル。むしろジョゼフ・ゴードン=レヴィットを削ってバットマンのパートナーとしてガンガンスポットライトを当てればいいんかじゃないかなーと思っちゃうほど。
てかぶっちゃけブルース=アンハサ、ゲリマン=JGLという新たなパートナーシップなのは分かるけど、JGLがロビンとか若干蛇足じゃね? 新シリーズとかないよね?

アンハサのスタイルよかったなあ。マギー・ギレンホールってあんまスタイルよくないしね!


いろいろ不満が多いようではありましたが、これでもか!というほどハードルが上がりまくり、ダークナイトをはるかに凌駕しないと褒めにくい作品であったので、基本的にはこの出来に大満足です。


さようなら、ブルース・ウェイン。さようなら、バットマン。ありがとう、クリストファー・ノーラン

映画×短歌

闇の夜に舞い降り続ける騎士永遠に(ロビンまじ撮るの?どこ情報よー)

*1:あんま関係ない例えですた

*2:でもさ、マリコティって色気ゼロだよね

*3:好みの問題なんだけどさ